もちろん、私もまだ深い活動内容について熟知しているわけではありません。なぜ見知らぬ者どうしに遺族会が、かくも心の支えとなるのか。その秘密を探るべく、7/18の廣江さんのご講演がよりいっそう楽しみになってきました。
公益社のさらに興味深い取組みは、おひとりさまの生活支援です。遺族の方が今度は「おひとりさま」になって、自分自身の明日への準備の必要が生まれます。そういう方にも、月例会で講演を行い、準備しておくことなど、グリーフケアとはまた異なる学びの場を設けられています。心の持ち方や活動が「ゼロからプラス」になられた方を廣江さんは「卒業生」と呼ばれていましたが、それらの方が自主運営するOB会サロンが設立され、今では会員50名を超えるといいます。それらの方々は遺族会を通して、これからを生きる意味を見出したといえるでしょう。
「ひだまりの会」の将来像にはいろいろな可能性がうかがえます。家族や地域社会が遺族の悲嘆やその後の生活を支えにくくなっている現状では、その補完システムとして近親者以外のサポート体制にも必要が出てくることでしょう。
廣江さんは、「ひだまりの会」のような遺族どうしによる相互扶助の関係が、やがて高齢化・孤立化する地域コミュニティ全体を支えるのでは、とおっしゃっていました。私は今回のインタビューで、葬儀社のイメージが180度変わりました。ホスピス・緩和ケア病棟でもグリーフケアは整備されつつありますが、医療は遺族のサポートまで手が回りません。むしろ、死を起点としての再生プロセスに取り組む公益社の活動に、地域におけるグリーフケアの新しい可能性を感じました。
ぜひ7/18にお越しいただき、ひだまりの会の現状だけでなく、今後の可能性についてもご一緒に考えていきたいものです。(浦嶋偉晃)
