2009年6月15日月曜日

葬儀社の新たな取り組み

 エンディングセミナー「”みとりびと”は語る」(7月18日)の話題提供者・公益社の廣江輝夫さんにお会いする機会がありました。私は最初に葬儀社である公益社さんが独自で「ひだまりの会」という遺族会を作り、グリーフケアの活動をされているという話を聞いて、正直ビックリしました。失礼ながら、葬儀社の生業は「死後」のはずですが、それが何故、いつから、どういうきっかけでグリーフケアを始められて、実際にどのように運営されているのか、興味深い話を伺いました。
 私の住む奈良県には遺族会がありません。いや、そもそも遺族会というものが、昔からあったわけではないでしょう、また、最近耳にするようになったグリーフケアですが、それもとても難しく専門的なもので、実際には臨床心理士やカウンセラーの領域ではないかという認識がありました。
 ところが、廣江さんにいざお会いし、いろいろなお話をお聞きしていくうちに、私の思い込みはつぎつぎ覆されていきます。
 「ひだまりの会」は発足して5年、今は会員の方が450名ほどで、「同じ体験をした人の話を聞きたかった」が理由で参加する方々が半分以上を占めているそうです。もちろん相互には最初は見知らぬ他人同士、発足当初のご苦労もやはり相当なものだったようです。初回の参加者36名が3回目には、3分の1に落ち込みました。
 そこで参加者された方や、または案内書を出しても来られないご遺族に直接電話をしたりして、遺族会に対しどういうニーズを持たれているのかお話を伺ったそうです。
 その中で浮かび上がったキーワードは、「ライフサポート」。つまり「グリーフケア」は悲嘆の癒しだけでなく、これからの人生の創造にもシフトしなくてはならない、つまり「グリーフサポート」と「ライフサポート」は車の両輪のようなものだという発見でした。死別の悲嘆に向き合う「故人中心の生活」から、人生の豊かさに目を向けた「自分中心の生活」への移行をお手伝いすることこそが必要なのだと痛感されたそうです。
 「ひだまりの会」は遺族の方の心の持ち方や活動について、「マイナスからゼロへ」だけでなく、さらに「ゼロからプラス」までのプロセスを考えて活動に取り組んでおられます。
 その具体的な活動については、次回改めて書きたいと思います。
(浦嶋偉晃)

0 件のコメント:

コメントを投稿