2009年9月11日金曜日

休眠宗教法人が不正行為の温床に。

  NHKの朝のテレビで「休眠宗教法人が不正行為の温床となっている」というニュースがあった。暴力団によるお寺のっとり事件が報道されていた。
  文化庁によると現在休眠中の宗教法人、神社仏閣は全国に4500もあり、立地がよく資産の多いお寺はターゲットになりやすいという。暴力団はまず有名寺院の肩書を騙り、お寺の経営難を救済すると新しい事業を持ちかけてくる。最初は親切に尽くしてくれるので、お寺側が信用すると、手のひらを返して墓地の名義を勝手に書き換えたり、最悪の場合登記も偽造して、のっとられたケースもあるらしい。休眠中のお寺にも新しい事業で再建したい焦りがあって、まんまと口車にのせられたという。
  いかにもガードが甘い。といってしまえばそれまでだが、地方の一寺院に危機管理に万全を凝らせというのもさびしい。文化庁では、休眠の宗教法人を解散させて対応するというが、実態はどこまで明らかにできるのだろう。
  休眠寺院は即廃寺では早晩仏教教団は衰退する。何とか別の形で寺を再建して、経営維持することはできないか。寺の事業といえば、墓地や納骨堂の分譲が代表的だが、いわば不動産事業であり、莫大な資金も要する。そこに暴力団もうまみを感じるのだろう。たとえば社会福祉法人と共同して、福祉介護施設をつくるとか、デイサービスのような公益性の高い拠点でもいい。いまはNPO法人という手法もある。地域住民に喜ばれ、公金投入の仕組みをつくることで、経営の透明性を高める。そういう新しい発想が生まれないだろうか。
寺が休眠化するのは、後継者難という事情も大きいと聞く。社会貢献型のお寺の事業であれば、そこにやりがいを感じる、有為な若者が「発心」に目覚めることもあるだろう。教団レベルの幅広い議論が必要だ。(秋田光彦)

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